2011-01-01から1年間の記事一覧
毎年恒例の「YOSHII BUDOKAN」と重ねた形での「Flowers & Powerlight Tour 2011 〜born-again〜」のツアーファイナル。ツアー中と変わらないセットリストの潔さは、春のツアーも含めて今年1年をかけて歩んできた「旅」への自信とこだわりなのだと思う。 歌も…
約1年ぶりに見たピロウズのライブ。 ツアータイトルにもなっている新曲の“エネルギヤ”。スローなテンポから徐々に熱を帯びて走り出す感じと同じフレーズを繰り返しながら高揚していく感じは、これまでのピロウズの曲にはあまりなかったので新鮮。ライブで聞…
ライブの後、何度もセットリストを眺める。何度眺めても面白いセットリストだと思う。だからこそ、1曲ごとにとても鮮明な印象が残っている。男女の天使が印象的なスタイリッシュな映像を背にして暗がりの中で静かに歌われた“Born”から一転して新たに生み落と…
とにかくボーカルが素晴らしい。 さまざまな表情を持ちながらも、リズムが目立つアレンジや弾き語りに近いミニマムなトラックは、野太くて艶のある歌声を際立たせる。特に“Next Innovation”と“ダビデ”のボーカルの熱の帯び方と放ち方。曲の終わりに向けて静…
ロックバンドのメンバーがソロアルバムを出すとき、バンドとは違う音楽を追求したり、バンドのパブリックイメージとは違う表情を見せたりすることが多い。だから、ソロアルバムというのは、そのアーティストの「素顔」や「等身大」により近い作品といえる。…
イベントでクロマニヨンズを見るのはおそらく5年ぶり。10曲のセットリストは最初の1曲を除いて他はすべてシングル曲。 ライブで初めて聞く最新シングルの“ナンバーワン野郎”。CDではその直球っぷりゆえにかえって少しちょっと物足りないと思ったことを申し訳…
ジャケットが印象深い。深い緑のなかに4人が並んで立っている風景は、映画『スタンドバイミー』を髣髴とさせる。彼らはこれから冒険に出発するのだろうか、その途中だろうか、それともすでにそれを終えてしまったのだろうか。アルバムの最後の“26才の夏休み”…
メイジャーデビュー10周年を記念して氣志團がホストとなって主催する対バンシリーズギグ。神聖かまってちゃん 神聖かまってちゃんのライブは曲の始まりがギクシャクする。メンバーの誰かが次の曲名を告げてからイントロまで妙な間があったり唐突に始まったり…
この日のライブが自分のなかの深いところにいつまでも残ると確信した。「心に残る」「胸に刻まれる」という言葉は感動の比喩ではなくて、感動そのものだと思った。“球根”につながるピアノソロ。鍵盤が“恋の花”のメロディをかすめるところでもう胸がいっぱに…
開演から30分遅れで席に着いたとき*1、吉井和哉はこの会場では何度もライブをしたことがあると話していた。 NHKホールの3階席から見下ろすステージは、黒い地面に細長い何かが突き刺さっているように見えた。けれど、MCが終わって“おじぎ草”を歌い始めた吉井…
吉井和哉の新作を初めて聞くとき、前作からの変化を予感しつつも、いつも必ず予想を裏切られる。そして、繰り返し聞くうちに、その変化はこれまでの彼の作品のなかで予言されていたのだと気づく。吉井和哉6枚目のソロアルバム『The Apples』。真の意味でのタ…
2011年4月10日、日比谷野外音楽堂、ザ・クロマニヨンズ。この日のライブを、私はずっといつまでもはっきりと覚えていると思う。夕暮れが迫る会場いっぱいの歓声のなかメンバーが登場。ヒロトがステージ袖から転がるように駆け出してくる。第一声はもちろん「…
東日本大震災から1週間が過ぎた2011年3月18日。生放送の「ミュージックステーション」で吉井和哉は歌った。 番組の始まりから終わりまで、その表情はずっとこわばったままで、沈痛や神妙さのなかに憔悴さえ感じられた。頬の窪みと皺がより深く濃くなっていた…
静かなギターで始まり、歌い出しの言葉は<プリーズ>。僕は救世主ではないし、君さえ救えないかもしれない――そんな無力さから出発する吉井和哉の「愛と平和」の歌。 何も変わらないという絶望と、それでも何かが変わると信じる希望に引き裂かれるかのように…
誰かに噛み付くわけでも何かを告発するわけでもない、不機嫌な呟きが、ぽつんとジャケットの宙に浮かぶ。神聖かまってちゃんの2枚同時発売のアルバム『つまんね』と『みんな死ね』。『つまんね』 1曲目の“白いたまご”。<今すぐ壊して>という歌声は、たまご…
ユニオンジャックを背中に貼り付けた真っ赤なコートで登場したその瞬間から、吉井和哉は自信満々だった。新曲“アシッドウーマン”のへヴィさでさらっとライブの幕を開けてしまうその姿は憎たらしいほど堂々としていた。東スタンドから見下ろしたその背中はギ…