2014-01-01から1年間の記事一覧
カヴァーアルバムには大きく2種類がある。一つは「トリビュートアルバム」と呼ばれる、複数のアーティストがある特定のアーティストやバンドの曲をカヴァーしたもの。もう一つは、一人のアーティストが自分以外の複数のアーティストの曲をカヴァーしたのもの…
ライブ開始直後から終盤まで、何本ものミネラルォーターが観客の中から撒き散らかされた。ステージを照らす光を反射しながらキラキラと飛び散る水泡は、ロックンロールの興奮と感激を野蛮に美しく代弁していた。“ダイナマイトブルース”や“ウォルター一撃!”…
アルバムのタイトルやジャケットの重厚な印象とは裏腹に、クロマニヨンズの新作『GUMBO INFERNO』は爽やかで切ない風が吹いているような、そんな感じがした。 それを象徴する、1曲目の“旅立ちはネアンデルタール”。 飽きたわけじゃない いやになったんじゃな…
友部さんのリクエスト大会は、お客さんがライブ前に書いたリクエストの紙を箱から1枚ずつ引きながら歌う。昨年のリクエスト大会と同様に、幅広いセットリストになった。 第1部では、歌い終えてから「16歳の時にラジオでこの曲を聞いて、僕は歌手になろうって…
1.人生という「贈り物(PRESENT)」 人生で起こることはすべて、嬉しいことも悲しいことも自分への「贈り物(PRESENT)」だとしたら、生きるということは「受け取る」ということなのかもしれない。そして、「受け取る」ことは時に「贈る」ことよりも実は難しい…
スピッツが武道館によく似合っていたというよりも、武道館がスピッツによく似合っていた――そんなふうに感じたライブだった。スピッツというバンドの存在感、その不思議さと大きさを改めて感じたライブだった。客席の照明が落ち武道館の会場に観客が身に付け…
フラカン結成25周年ワンマンツアー「4人で100才」のツアーファイナル。 結成25周年のアーティスト写真のスーツ姿で登場したメンバーは、スーツがよく似合っていた。背伸びしているわけでも、奇をてらっているわけでもなく、身の丈にあったさりげない貫禄があ…
吉祥寺には6月の雨が降っていた。 最初に三宅さんが登場して4曲ほど歌ってから友部さんが登場して、その後はずっと2人で一緒にそれぞれの曲を演奏。三宅さんと共作したアルバム『ロックンロール、やってます』からの曲を演奏した後で、「この曲はなんていう…
いいライブだった。千葉LOOKのステージは低くて、圭介さんはほぼバストショット(台の上で歌った場合)、他のメンバーはほぼ鎖骨から上しか見えなかったけれど、でも、とてもいいライブだった。フラカンの歌には、生きることにつきまとう寂しさや侘しさ、どう…
死後新たに見つかった、30代後半の清志郎が綴ったノートから成るこの本を読んで、清志郎に再会したと同時に初めて出会ったような、そんな気持ちになった。 読み始めてほんの数ページで、20代の清志郎が綴ったノートから成る『十年ゴム消し』から受けた印象と…
なんと言っても、1曲目が“タリホー”。その後に“紙飛行機”、“ギリギリガガンガン”と続いたところでようやく、4月にリリースしたシングルコレクション『13PEBBELES』を意識したセットリストだと気づいた。これまでにのシングル13曲を全てほぼリリース順に演奏…
友部さんのライブに行くと、本を読む人を見ることができる。開場から開演までの間、文庫本や単行本を読む人の横顔や背中は静かだけれど、輪郭がはっきりとして見える。世の中には「質の良い孤独」というものがあるのだとわかる。 友部さんの歌は「質の良い孤…
丸ノ内線後楽園駅のホームを降りた瞬間に、わくわくしてきた。黒っぽい冬の服を着た人たちも皆そんなふうに見えた。みんなそわそわと心躍らせていた。ローリング・ストーンズは人を無邪気にさせる。何といってもミック・ジャガーのステージング。圧巻だった…
会場に入って、奥行の深いNHKホールのステージに『小さな生き物』のジャケットのグライダーを髣髴とさせる大きなセットが浮かんでいるのを見て、「ホールらしい」と思った。そして、スピッツホールで観るのは久しぶりだと思った。同時に、それはスピッツのワ…
去年の秋にリリースされた『新・フラカン入門』に収録の新曲“ロスタイム”。ミディアムテンポのどこか懐かしい軽やかな曲調とは裏腹に、その歌はこんな歌詞で始まる――。 ドーナツ盤の真ん中 レコード針じゃ鳴らせないところに 迷い込んで一人 どれだけ喉をし…