2019-01-01から1年間の記事一覧

THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary DOME TOUR(2019/12/28 ナゴヤドーム)

ザ・イエローモンキーが、現在のバンドメンバーで初めてライブをした日が、1989年12月28日。それから30年の時が流れ、バンドの30歳の誕生日でもありバンドのキャリア史上最大規模となるドームツアーの初日となったライブは、序盤、中盤、終盤と進むなかで、…

THE YELLOW MONKEY 「DANDAN」

ザ・イエローモンキーには12月がよく似合う。現在のメンバーになって初めてのライブが12月28日だったという「縁」もあるように、このバンドには、過ぎ去っていくことの感傷と新たに迎えることの希望が交錯する季節がとてもよく似合う。賑やかな風景の裏にあ…

劇団フライングステージ第45回公演『アイタクテとナリタクテ 子どもと大人のフライングステージ』(2019/11/2 下北沢OFF・OFFシアター)

1992年の旗揚げ以来、劇団フライングステージのお芝居の中で最も幼い主人公、小学生達の物語。お得意のメタシアターの手法で描きだされた物語は、可愛らしくも、「愛とは」「家族とは」そして「自分とは」――というこれまでの作品群に通低する一貫した問いを…

『ロケットマン』

エルトン・ジョンの自伝的半生を描いた映画『ロケットマン』を観た。エルトン・ジョンの名曲の数々をミュージカル仕立てで織り込んだ華やかさとは裏腹に、見終わった後に何とも言えない切なさと静かな強さが心に芽生えてくるような、そんな映画だった。 1.…

THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019-GRATEFUL SPOONFUL-(2019/7/7 さいたまスーパーアリーナ)

“天道虫”で派手に幕を開けたライブだった。テーマの異なる4種類のセットリストのうち、今回は「ハート」のセットリストだった。タイトルに「LOVE」とある曲が多く歌われたけれど、そういう歌ほど、セックスと真正面から向き合う反面、愛と真正面から向き合う…

THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019-GRATEFUL SPOONFUL-(2019/6/11 横浜アリーナ)

19年ぶりのオリジナルアルバム『9999』と同じく“恋のかけら”で幕を開けたライブは、「30周年」という時の流れを感じさせないというよりも、時の流れを味方につけたバンドだけが醸し出す「円熟」と「新鮮」が同居したライブだった。ロックバンドとして「脂が…

歴史と交わるということ、あるバンドの「甘美な挫折」に寄せて

永井純一(2019)「第7章 フジロック、洋邦の対峙」書評(『私たちは洋楽とどう向き合ってきたのか』,南田勝也編著,花伝社,pp.210-243) 1997年7月26日、2人のオーディエンスの経験 私が初めてザ・イエローモンキーのライブを見たのは、1997年7月26日のフ…

10年目の5月2日に

忌野清志郎が亡くなって10年、10年目の5月2日になる。清志郎の訃報を知った時のことは今でも鮮明に覚えている。夜のニュース番組で速報として伝えられたこと、ほどなくして友人から電話がかかってきたこと。電話口で友人が泣いていたこと。その時は「悲しい…

THE YELLOW MONKEY『9999』

ザ・イエローモンキー9枚目のオリジナルアルバム『9999』。活動休止、解散そして再集結を経ての19年ぶりの新作。バンドにとっても、ファンにとっても長い時間と「重い想い」を背負ったアルバムである一方で、1曲目“この恋のかけら”が進むにつれてこの新作が…

朝焼けデトロイト

出張でアメリカのデトロイトへ。デトロイトの日の出は遅く、7時過ぎ。 郊外も都市部も、アメリカには「影」がないと思った。全てが白っぽい光に当てられ広がっていた。ふと、Fountain of Wayneの音楽を思い出した。 それは巨大なショッピングモールの明るさ…

東日本大震災とロック

記憶は音楽と共にあり、音楽は記憶を呼び起こす――何かを思い出すことは、その当時の音楽と自分自身を思い出すことでもある。 東日本大震災から8年が経つ。当時のことを思い出すとき、かつてこのブログに記した音楽にまつわる2つの体験が鮮明に蘇る。どちらに…

ザ・クロマニヨンズツアー レインボーサンダー2018-2019(2019/02/23 千葉市民会館)

とてもとても、本当に本当に、いいライブだった。新作『レインボーサンダー』は、そのタイトルが意味するように、CDで聞いた印象の何倍も曲調がカラフルだった。そしてソングライターとしてもプレイヤーとしても、それを誇示するというよりはバンドとして楽…