2016-01-01から1年間の記事一覧
ほぼ毎年武道館で見届けていたこの日のライブを、今年はライブビューイングで見た。 開演前の武道館の会場には、席に着くとスクリーンに映し出された武道館の会場には、デビッド・ボウイの“ジギー・スターダスト”が流れ、ステージ上ではパッヘルベルの“カノ…
同性カップルの結婚に相当する関係を認める渋谷区の条例や世田谷区の要項が相次いで成立し、同性愛者、結婚、家族をめぐる制度にとってひとつの節目となった2015年。その2015年の11月、今からちょうど1年前に上演された『Friend,Friends』と、その物語の登場…
ザ・クロマニヨンズ10枚目のアルバム『BIMBORLL』。ブルースハープが鋭角的に突き刺さってくる“ペテン師ロック”で幕を開けて、一気に疾走する36分13秒。アルバムのリリースに合わせたさまざまな媒体でのインタビューでは、徹底して「何も考えていない」と創…
新作『ブルックリンからの帰り道』発売記念ライブ。最近のライブですでに演奏されていて聞いたことのある曲も、初めて聞く曲も、「ニューアルバム」という額縁に縁どられることで、改めて新鮮な気持ちで聞くことができた。「『友部正人』というバンドがある…
「岡山っていうところあって、今もあると思うけど、岡山から上京してきて僕が憧れた東京は、六本木でも銀座でもなく、新宿ロフトでした」―-新宿ロフト40周年を記念するライブシリーズの初日。このMCはもちろん、そのライブ全体を通して、ヒロトの新宿ロフト…
4年前に吉井和哉がソロで出演した時のことを思い出した。ライブというよりもその時の天気のことを。ライブが始まってから雨が本格的に降り出して、降ったり止んだりしながら最後には晴れて虹がかかっていた――という、そんな展開の空模様は、今にして思えば、…
このライブ以前、私が最後に横浜アリーナでライブを観たのは、2000年5月のザ・イエローモンキーの「SPRING TOUR」だった。それから16年。過ぎたのは「時間」ではなく「季節」だったのだと思う。1997年の“FIX THE SICKS”ツアーを髣髴とさせる演出とともに始ま…
この日のライブを観てしまうと、「素晴らしい」と心の底から思った2か月前の国立代々木競技場第一体育館でのライブでさえも、このバンドにとってはまだ「硬かった」のだと実感した。あれから、2か月が経って、まさに蛹が蝶になって飛び立ったような、そんな…
2016年5月11日19時00分00秒。歓声がもはや悲鳴に変わりそうなほどの興奮と歓喜のなか、ザ・イエローモンキーは帰ってきた。あの日確かに信じたものが幻なんかじゃなく、現実としてそこにあった。ステージ前面の半透明の幕に浮かびがった4人のシルエットを見…
去年の11月から始まった70本(!)に及ぶ全国ツアーの終盤。秋の終わりから冬をくぐり抜け、桜の季節さえも駆け抜けて、ツアー最後の東京でのライブ。 おそらくクロマニヨンズのライブで、今までで最も豪華なセットだった、ステージ上のジャングルを模した装飾…
新緑のさわやかな春の夕暮れの吉祥寺の街は、ただそれだけで歌を口ずさんでいるようだった。そんな街で友部さんの歌を聞けることの幸せを噛みしめた。前日まで、「夜よ明けるな」をリクエストするつもりだったけれど、ライブ当日の午後に気持ちが変わって違…
夏目漱石の『こころ』を劇団フライングステージならではの独自の解釈で編み直した物語。2008年の初演で強烈な印象を受け、劇団フライングステージのお芝居の中でも特に再演を待ち望んでいた『新・こころ』。あれから8年(!)が経ち、その間の「変わらないも…
とある手術を受けるため、入院していました。 病棟の窓越しに見た海は、朝も昼も夕暮れもおだやかな表情で、そこにありました。 1日中ずっとパジャマとガウンで過ごしていると、自分が「落伍者」でもあり「特権階級」でもあるような、不思議な感覚にとらわれ…
それがとても大切なものであるとき、それに出会うことやそれを受け取ることに人は怯える。それを傷つけたり、それを失ったりすることを恐れてしまうがゆえに。この新曲を聞いて、信じながらも疑い続け、疑いながらも信じ続けるという「愛の怯え」がこのバン…
私が以前に書いていたブログで10年前に書いたザ・イエロー・モンキーのアルバムレビューです。少しだけ手直しましたが、10年前も今もこのバンドに対する私の思いは、このレビューにある思いのまま、そのままです。 ・BUNCHED BIRTH (1991.7.2 Release) この…