THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019-GRATEFUL SPOONFUL-(2019/7/7 さいたまスーパーアリーナ)

“天道虫”で派手に幕を開けたライブだった。テーマの異なる4種類のセットリストのうち、今回は「ハート」のセットリストだった。タイトルに「LOVE」とある曲が多く歌われたけれど、そういう歌ほど、セックスと真正面から向き合う反面、愛と真正面から向き合う…

THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019-GRATEFUL SPOONFUL-(2019/6/11 横浜アリーナ)

19年ぶりのオリジナルアルバム『9999』と同じく“恋のかけら”で幕を開けたライブは、「30周年」という時の流れを感じさせないというよりも、時の流れを味方につけたバンドだけが醸し出す「円熟」と「新鮮」が同居したライブだった。ロックバンドとして「脂が…

歴史と交わるということ、あるバンドの「甘美な挫折」に寄せて

永井純一(2019)「第7章 フジロック、洋邦の対峙」書評(『私たちは洋楽とどう向き合ってきたのか』,南田勝也編著,花伝社,pp.210-243) 1997年7月26日、2人のオーディエンスの経験 私が初めてザ・イエローモンキーのライブを見たのは、1997年7月26日のフ…

10年目の5月2日に

忌野清志郎が亡くなって10年、10年目の5月2日になる。清志郎の訃報を知った時のことは今でも鮮明に覚えている。夜のニュース番組で速報として伝えられたこと、ほどなくして友人から電話がかかってきたこと。電話口で友人が泣いていたこと。その時は「悲しい…

THE YELLOW MONKEY『9999』

ザ・イエローモンキー9枚目のオリジナルアルバム『9999』。活動休止、解散そして再集結を経ての19年ぶりの新作。バンドにとっても、ファンにとっても長い時間と「重い想い」を背負ったアルバムである一方で、1曲目“この恋のかけら”が進むにつれてこの新作が…

朝焼けデトロイト

出張でアメリカのデトロイトへ。デトロイトの日の出は遅く、7時過ぎ。 郊外も都市部も、アメリカには「影」がないと思った。全てが白っぽい光に当てられ広がっていた。ふと、Fountain of Wayneの音楽を思い出した。 それは巨大なショッピングモールの明るさ…

東日本大震災とロック

記憶は音楽と共にあり、音楽は記憶を呼び起こす――何かを思い出すことは、その当時の音楽と自分自身を思い出すことでもある。 東日本大震災から8年が経つ。当時のことを思い出すとき、かつてこのブログに記した音楽にまつわる2つの体験が鮮明に蘇る。どちらに…

ザ・クロマニヨンズツアー レインボーサンダー2018-2019(2019/2/23 千葉市民会館)

とてもとても、本当に本当に、いいライブだった。新作『レインボーサンダー』は、そのタイトルが意味するように、CDで聞いた印象の何倍も曲調がカラフルだった。そしてソングライターとしてもプレイヤーとしても、それを誇示するというよりはバンドとして楽…

THE YELOOW MONKEY SUPER『メカラウロコ・29 FINAL』(2018/12/28 日本武道館)

アンコールで吉井和哉が歌った「毛皮のコートのブルース」がこの日のライブを象徴していた。曲に込められた吉井和哉の深い思入れや「イエローモンキー」というバンドの根っこにある世界観を感じつつ、全身黒の喪服のようないでたちで「Happy Birthday」と歌…

another sunny day 2018(b-flower/The Laundries/For Tracy Hyde/DJ:明山真吾)(2018/10/13 KOENJI HIGH)

20年以上の時を経てb-flowerのライブを観ているということ以上に、そのライブに「20年」という時間やその間の空白を感じないことが驚きだった。b-flowerの音楽は、その演奏は「みずみずしい棘」のままだった。かつてとキーの高さの変わらない八野英史のボー…

劇団フライングステージ第44回公園『お茶と同情』(2018/08/11 下北沢OFF・OFFシアター)

同性パートナーシップ申請(宣誓)、レインボーパレード、一橋大学アウティング事件、国会議員による「LGBTは生産性がない」発言――近年の同性婚を扱った連作と同様に、あるいはそれ以上に「2018年の日本」を強く意識した物語。そして、さりげなく織り込まれ…

吉井和哉 15th Anniversary Tour 2018‐Let's Go Oh! Honey−(東京国際フォーラム 2018/06/23)

いいライブだった。「ソロアーティスト」としての、「独りの表現者」としての吉井和哉の音楽の魅力に出会い直し、見つめ直すような、そんな感慨深い瞬間の連続だった。東京国際フォーラムで吉井和哉のライブ見るのは3度目だった。それはいつも梅雨の紫陽花の…

『SOUNDTRACK〜Beginning & the End〜』

吉井和哉のソロデビュー15周年に合わせてリリースされた、2015年のソロライブ音源と新曲からなるベストアルバム的1枚。 アルバムジャケットの吉井和哉の表情は、何と形容したらいいのだろうかと迷った。 遠くを見ているようで目の前の誰かを凝視しているよう…

THE YELLOW MONKEY SUPER BIG EGG 2017(2017/12/09・10 東京ドーム)

素晴らしいライブだった。 この「素晴らしい」という言葉が、これまでのイエローモンキーのライブと同じ基準によるものではなく、その基準自体が更新されたような感覚があったという意味で「素晴らしい」ライブだった。2001年1月以来、活動休止、解散そして…

劇団フライングステージ第43回公演『LIFE,LIVE ライフ、ライブ』(2017/11/12 下北沢offoffシアター)

渋谷区と世田谷区で始まり、全国の複数の自治体にも広がっている同性パートナーシップ申請(宣誓)をめぐる、3部作の3作目。2015年上演の1作目『Firiend,Freiends 友達、ともだち』id:ay8b:20151102、2016年上演の2作目『Family,Familiar 家族、かぞく』id:ay8…

『オトトキ DOCUMENTARY of THE YELLOW MONKEY』(2017/11/11)

公開初日に銀座の映画館で観た。同じバンドのドキュメンタリー映画ではあっても、2013年に公開された『パンドラ ザ・イエローモンキー PUNCH DRUNKERD TOUR THE MOVIE』id:ay8b:20131006とは異なる感触と印象を残す映画だった。 2016年に「再集結」したザ・イ…

ザ・イエローモンキー『THE YELLOW MONKEY IS HERE.NEW BEST』

2013年にリリースされたファン投票によるベストアルバム『イエモン―FAN'S BEST SELECTION―』の収録曲を、再集結したザ・イエローモンキーが新たにレコーディングし直したベストアルルバム『THE YELLOW IS HERE』。タイトル通り、イエローモンキーが現在進行…

フラワーカンパニーズ「フラカン28号SPECIAL」(2017/04/22 日比谷野外大音楽堂)

「フラカンの野音」というと思い出すのは、48年ぶりの大寒波(!)に襲われた4年前の野音でのライブid:ay8b20130428。本当に寒かった…、でもとても印象深いライブだった。そして、ライブが始まる直前になって強く雨が降り出した今回のライブも印象深いライブに…

ザ・クロマニヨンズTOUR BINBOROLL 2016-2017(2017/04/02 千葉市民会館)

ヒロトとマーシー、そして彼らの音楽に対しては、もう尊敬と感謝しかない――というのが、心の底からの正直な気持ちだけれど、クロマニヨンズのライブを観ると、そんな気持ちすらどうでもよくなってしまう。そんな気持ちさえも超える「今・ここ」での感激や感…

b-flower 『the very best of b-flower』

かつて、10代でロックと出会って間もなくして、「自分の好きな音楽について自分が書いた文章が音楽雑誌に掲載されること」が、私の夢になった。そして、20歳の春、『rockin'on JAPAN』という雑誌に、あるバンドについて書いた私の文章が掲載された。その文章…

THE YELLOW MONKEY SUPER メカラ ウロコ・27(ライブビューイング)(2016/12/28 シネマイクスピアリ)

ほぼ毎年武道館で見届けていたこの日のライブを、今年はライブビューイングで見た。 開演前の武道館の会場には、席に着くとスクリーンに映し出された武道館の会場には、デビッド・ボウイの“ジギー・スターダスト”が流れ、ステージ上ではパッヘルベルの“カノ…

劇団フライングステージ第42回公演『Family,Familiar 家族、かぞく』『Friend,Friends 友達、友達』(2016/11/05 下北沢OFF・OFFシアター)

同性カップルの結婚に相当する関係を認める渋谷区の条例や世田谷区の要項が相次いで成立し、同性愛者、結婚、家族をめぐる制度にとってひとつの節目となった2015年。その2015年の11月、今からちょうど1年前に上演された『Friend,Friends』と、その物語の登場…

ザ・クロマニヨンズ 『BIMBOROLL』

ザ・クロマニヨンズ10枚目のアルバム『BIMBORLL』。ブルースハープが鋭角的に突き刺さってくる“ペテン師ロック”で幕を開けて、一気に疾走する36分13秒。アルバムのリリースに合わせたさまざまな媒体でのインタビューでは、徹底して「何も考えていない」と創…

友部正人 ニューアルバム「ブルックリンからの帰り道」発売記念ライブ(2016/09/22 STAR PINE'S CAFE)

新作『ブルックリンからの帰り道』発売記念ライブ。最近のライブですでに演奏されていて聞いたことのある曲も、初めて聞く曲も、「ニューアルバム」という額縁に縁どられることで、改めて新鮮な気持ちで聞くことができた。「『友部正人』というバンドがある…

SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY 40YEARS×40LIVES FIRST DAY SPECIAL 2MAN ザ・クロマニヨンズ×ニューロティカ(2016/09/01 新宿ロフト)

「岡山っていうところあって、今もあると思うけど、岡山から上京してきて僕が憧れた東京は、六本木でも銀座でもなく、新宿ロフトでした」―-新宿ロフト40周年を記念するライブシリーズの初日。このMCはもちろん、そのライブ全体を通して、ヒロトの新宿ロフト…

SUMMER SONIC 2016(2016/08/21 QVCマリンフィールド&幕張メッセ)

4年前に吉井和哉がソロで出演した時のことを思い出した。ライブというよりもその時の天気のことを。ライブが始まってから雨が本格的に降り出して、降ったり止んだりしながら最後には晴れて虹がかかっていた――という、そんな展開の空模様は、今にして思えば、…

THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2016−YOKOHAMA SPECIAL−(2016/08/03 横浜アリーナ)

このライブ以前、私が最後に横浜アリーナでライブを観たのは、2000年5月のザ・イエローモンキーの「SPRING TOUR」だった。それから16年。過ぎたのは「時間」ではなく「季節」だったのだと思う。1997年の“FIX THE SICKS”ツアーを髣髴とさせる演出とともに始ま…

THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2016(2016/07/09 さいたまスーパーアリーナ)

この日のライブを観てしまうと、「素晴らしい」と心の底から思った2か月前の国立代々木競技場第一体育館でのライブでさえも、このバンドにとってはまだ「硬かった」のだと実感した。あれから、2か月が経って、まさに蛹が蝶になって飛び立ったような、そんな…

THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2016(2016/05/11 国立代々木競技場第一体育館)

2016年5月11日19時00分00秒。歓声がもはや悲鳴に変わりそうなほどの興奮と歓喜のなか、ザ・イエローモンキーは帰ってきた。あの日確かに信じたものが幻なんかじゃなく、現実としてそこにあった。ステージ前面の半透明の幕に浮かびがった4人のシルエットを見…

ザ・クロマニヨンズTOUR JUNGLE 9 2015-2016(2016/04/20 中野サンプラザ)

去年の11月から始まった70本(!)に及ぶ全国ツアーの終盤。秋の終わりから冬をくぐり抜け、桜の季節さえも駆け抜けて、ツアー最後の東京でのライブ。 おそらくクロマニヨンズのライブで、今までで最も豪華なセットだった、ステージ上のジャングルを模した装飾…