フラカン結成25周年ワンマンツアー「4人で100才」(2014/05/25 千葉LOOK)

いいライブだった。千葉LOOKのステージは低くて、圭介さんはほぼバストショット(台の上で歌った場合)、他のメンバーはほぼ鎖骨から上しか見えなかったけれど、でも、とてもいいライブだった。

フラカンの歌には、生きることにつきまとう寂しさや侘しさ、どうしようもなさを歌ったものが多い。“ビューティフルドリーマー”の「ラッキーじゃない ハッピーじゃない」というフレーズそのままの、心情や風景を歌った歌が多い。けれど、フラカンのライブに行くと、自分には縁が薄いはずの「ハッピー」や「ラッキー」を感じられる自分になっていることに気づく。フラカンの歌を聞いていると、無理矢理探さなくてもいつもすでに自分の傍に「ハッピー」や「ラッキー」があったことに気づく。だから、フラカンのライブの後は、自分の気持ちが健やかになった気がする。「気がする」というよりも、確実にそうなっている。

ここ数年ライブで演奏していなかった曲を含む、絶妙なセットリスト。これが良かった。“深夜高速”も“真冬の盆踊り”も“さよならBABY”もなかったけれど、少しも物足りないと感じなかった。マエさんが「千葉LOOKだからできる」と言っていたように、風俗街のすぐそばにあって狭くてステージが低くてウーロンハイが苦い(笑)、ライブハウスらしいライブハウスにぴったりのセットリストだった。メンバーが千葉LOOKを好きだということも伝わってくるセットリストだった。会場(ハコ)に合わせてセットリストを大幅に変えることは、フラカンなら当たり前に感じてしまうけれど、実はどのバンドでもできることじゃない。そんなことをさらっとやりつつ、MCでは愛のある失笑と苦笑と爆笑を誘うフラカン。そんなフラカンが大好きだと改めて思った。

個人的には、終盤の“元少年の歌”がとても良かった。70年代アイドル風に無駄に可愛いしぐさと表情で歌う圭介さんに思わず吹き出してしまいつつ、<受け入れること 認めあうこと それがわからなくて/色んなものを失くして ここまでやってきた>というフレーズの何とも言えない軽やかさに少し涙ぐんだ。ライブのなかで最大のハイライトになる曲ではないけれど、この曲はとても重要な曲だと思う。しがみつくのでも抗うのでもなく、いじけるのでもあきらめるのでもなく、きちんと手放して受け入れるということ。そんな心境を風が吹くように軽やかに歌えるというのは、実はとても感動的なことだと思った。

いいライブだった。

フラワーカンパニーズセットリスト(2014/05/25)
どっち坊主大会
赤点ブギ
NUDE CORE ROCK'N ROLL
むきだしの赤い俺
煮込んでロック
どろぼう
丑三つのライダー
センチメンタルエンジン
SHAKE MY LIFE
なれのはて
青い春
元少年の歌
東京タワー
フェイクで行こう
夜空の太陽
チェスト
YES FUTURE
365歩のマーチ


−encore1−
ロックンロール
はぐれ者賛歌
俺たちハタチ族


−encore2−
終わらないツアー
恋をしましょう