ザ・クロマニヨンズTOUR JUNGLE 9 2015-2016(2016/04/20 中野サンプラザ)

去年の11月から始まった70本(!)に及ぶ全国ツアーの終盤。秋の終わりから冬をくぐり抜け、桜の季節さえも駆け抜けて、ツアー最後の東京でのライブ。
おそらくクロマニヨンズのライブで、今までで最も豪華なセットだった、ステージ上のジャングルを模した装飾と凝った照明は、天井の高い「ホールらしいホール」にとても映えていた。ただ、個人的には、中盤で登場した『JUNGKE9」のジャケッに描かれた「オバケ」が大きいのとよく動くのとで、アルバムで一番好きな“夜行性ヒトリ”に集中しきれなかったことがちょっと心残りだった(苦笑)。

MCのほとんどないライブの中(サンプラザ中野のモノマネ以外にはw)、ヒロトはこんなふうなことを言っていた――「思い出のたくさんあるこの会場でライブができて嬉しいです。でも、ほとんど忘れちゃったけど(笑)。みんなも忘れてもいいから、楽しんでいってください」。
いつか、少しずつ記憶は薄れてしまうのかもしれないけれど、何も形には残らなくても、この日のライブも一瞬一瞬が「ロックンロールの光」を反射させて輝いていた。例えば、“今夜ロックンロールに殺されたい”の間奏でベルトをもどかしそうに外して首に巻くヒロト、“エルビス(仮)”でエルビス・プレスリーよりも激しく、電流が走ったように全身を震わせるヒロト、広いステージの端まで奔放に跳ねて客席にピックを投げるマーシークロマニヨンズのライブを観ていると「あぁ、ロックンロールは美しいなあ」と、心の底から思う。ありきたりな表現かもしれないけれど、姿形が、というよりも心の、魂のあり方が「美しい」のだと思う。

このライブから2日後、ましまろのニューシングル「遠雷」のリリースが発表された。クロマニヨンズのツアー後の活動については何も発表されていないことが少し寂しくもあり少し不安でもあるけれど、また必ず、と思う。

ザ・クロマニヨンズセットリスト(2016/04/20)
生活
やる人
ボラとロック
生きてる人間
原チャリダルマ
オバケのブルース
夜行性ヒトリ
俺のモロニー
自転車リンリンリン
底なしブルー
タリホー
突撃ロック

エイトビート
這う
中1とか中2
今夜ロックンロールに殺されたい
ギリギリガガンガン
紙飛行機
エルビス(仮)


―encore―
キンクス・ガット・ミー
雷雨決行
ナンバーワン野郎!