フラワーカンパニーズ「フラカンの日本武道館〜生きてて良かった、そんな夜はココだ!〜」(2015/12/19 日本武道館)

まさに、「生きてて良かった」という思いを日本武道館を埋めた9000人が分かち合った、そんな夜だった。生きてて良かった、フラカンを好きで良かった、今日この日のライブを観ることができて、本当に良かった。

怒髪天による「フラカン応援歌」が鳴り響いた後、おなじみの出囃子のSEとともにメンバーがステージに登場した瞬間、そして1曲目“消えぞこない”が始まった瞬間、「うわぁ〜」とこみ上げてくるものがあった。それはなんとも言えず明るくすがすがしい感情でもあった。
ライブが始まった瞬間に泣いたのは、2008年2月10日の同じく日本武道館での「忌野清郎完全復活祭」以来だった。けれど、そんな「フラカンがついに武道館に!」という感激は、セットリストが進むにつれて、単純にフラカンの曲と演奏の良さ、つまりライブの凄さに対する感動に取って変わっていった。フラカンのファンである自分自身を誇らしく思えるほどの「本当にフラカンてすごいバンドなんだ」という納得が、この日のライブの感動の本質の一つだったと思う。“夢の列車”での超絶なギターソロを披露した後、ライブ中盤での「やっと地に足がついてきた。もう一回最初からやり直したい(笑)」という竹安さんのさりげなくも、徹底したミュージシャンシップの高さが印象的だった。

セットリストのどこを思い出しても胸の奥が温かくなると同時に質の良いせつなさを感じる。そのなかでも特に、“発熱の男”に続いて演奏された“吐きたくなるほど愛されたい”と、3回目のアンコールで満を持して演奏された“東京タワー”が、「本当良かった」という言葉だけで十分だと思えるぐらい、本当に良かった。

メンバー紹介のMCでマエさんは、今日という日を迎えるまでに怒髪天はじめ多くのバンドマンが応援してくれたことへの感謝を、丁寧に言葉を重ねて話した。「結成26年で初の日本武道館」という一つの夢をバンドとバンド、バンドとファンという垣根を越えて共有するという形での武道館公演――CDの売り上げやライブの動員という数では表せない、長い時間の中でしか育まれない友情や尊敬や信頼という目に見えないものをフラカンのロックンロールを通して経験できたことは、ただの一ロックファンである自分自身にとっても大切な宝物になった。その意味でも、フラカンに感謝したいと思う。

ライブ終了後、武道館の玄関前で配られたチラシには、この日の武道館公演を収めたDVD&Blu-ray*1が3月に発売されるという告知が。こんなにも映像を早く観たいと思えるライブは初めてかもしれない。ライブ終盤に圭介さんが「みんな、武道館ロスにならないでね」と心配していたのは、あながち冗談ではなかったと思うほどに、本当にいいライブ、本当に大成功の武道館公演だった。

フラワーカンパニーズセットリスト(2015/12/19)
消えぞこない
恋をしましょう
星に見離された男
永遠の田舎者
はぐれ者賛歌
脳内百景
トラッシュ
ビューティフルドリーマー
元少年の歌
この胸の中だけ
夢の列車
発熱の男
吐きたくなるほど愛されたい
深夜高速
春色の道
チェスト
俺たちハタチ族
終わらないツアー
真冬の盆踊り


−encore1−
夜明け
ロックンロール
孤高の英雄


−encore2−
白目充血絶叫楽団
NUDE CORE ROCK'N ROLL
三十三年寝太郎BOP


−encore3−
東京タワー
サヨナラBABY

Thank you Ryoooooco-san ☆≡

*1:ぜひ、DVD&Blu-rayの特典映像として「鈴木圭介のわざわざ武道館で言わなくてもいいMC集」(笑)をつけて欲しい。