ザ・クロマニヨンズTOUR JUNGLE 9 2015-2016(2015/11/10 赤坂BLITZ)

60本(!)に及ぶ前回のツアーが春に終わってから1年と空けずに、新作『JUNGLE9』を携えて始まった70本(!!)に及ぶ全国ツアーの東京公演初日。毎年クロマニヨンズの新しい歌が聞けて、何度もライブに行けるという幸せ。クロマニヨンズのライブ会場には、「幸せな人」ばかりが集まっている。そして、ライブが終わった後、幸せな人達は、汗だくの身体で幸福感に満たされながらも、「ロックンロール」という幸せは、立ち止まるのではなくただただ疾走し,あっという間に過ぎ去ってしまうのだという切なさにも襲われる。だから、クロマニヨンズのライブには、何度でも行きたくなる。その度に切ない気持ちになると分かっていてもなお。

新作『JUNGLE9』からの曲は、ライブになるとより重厚で尖った表情になり、“ボラとロック”“原チャリダルマ”“オバケのブルース”といったクロマニヨンズならではの「大人のチャイルドライクネス」を発揮した曲も、ロックンロールの王道を歩いてしまうという不思議。そして“這う”“キングス・ガット・ミー”のハープが刻むリズムのカッコよさ。

新作で印象的だったヒロトのボーカルの伸びやかさはさらに輪をかけて伸びやかで、“俺のモロニー”から“今夜ロックンロール殺されたい”の流れは、歌詞の通り<ああ もう ああ もう>(今夜ロックンロールに殺されたい)としか言えないような興奮と感激が会場を覆っていた。

前回のツアーの“犬の夢”id:ay8b:20141102が本当に本当に良かっただけに、もうライブで演奏される可能性がかなり低いことが残念だったけれど、その残念を“夜行性ヒトリ”が洗い流すほどに、素晴らしかった。この曲の間奏、マーシーのギターソロの間、ヒロトはまさにこの歌詞のように命を燃やすように、その針金のような体をビートの痛みで激しく揺らしていた。

夜空の星よりも 今ここにあるもの
突き刺さったままの 痛みのように


命が今 燃えていくよ 炎のなか

ライブ中盤でのヒロトの「ロックンロールに準備はいりません。一生懸命生きていればいいんです」というMC。こんなことをヒロトはもうずっと、「ブルーハーツというバンド」の時から言ってくれている。けれど、やはりその度に感動してしまう。今回もやはりそうだった。

ザ・クロマニヨンズセットリスト(2015/11/10)
生活
やる人
ボラとロック
生きてる人間
原チャリダルマ
這う
スピードとナイフ
ギリギリガガンガン
タリホー

オバケのブルース
夜行性ヒトリ
中1とか中2
俺のモロニー
今夜ロックンロールに殺されたい
突撃ロック
オートバイと皮ジャンパーとカレー
エイトビート
紙飛行機
エルビス (仮)


−encore−
キンクス・ガット・ミー
雷雨決行
ナンバーワン野郎!

JUNGLE 9

JUNGLE 9