ザ・クロマニヨンズツアー2013 イエティ 対 クロマニヨン(2013/10/27 TOKYO DOME CITY HALL)

ライブの中盤、“団地の子供”の前、タンバリンを手にして「これは夢に出てきた天使がくれた妖精の楽器、『うんこべちゃべちゃ』です」と嬉しそうに言うヒロト。前の『ACE ROCKER』のツアー頃からか、ヒロトのMCがどんどんくだらなくなっていて楽しい。ロックスターというのは、存在それ自体がメッセージになのだから、MCはくだらなければくだらないほどいいと思う。そして、そんなMCを言うときのヒロトは、“ワンダーチャイルド”そのものであるかのように自由(アナーキー)で無垢(イノセント)だ。

ライブの終盤でヒロトは、「ありがとう。ほんとに心の底からありがとうと言える瞬間があるのは幸せです」とも言っていた。会場にいたファンも全く同じ気持ちだったと思う。

ある日、天使だか悪魔だか、妖精だか妖怪だかが現れて「お前は明日死ぬから、最後に好きなライブを観せてやる。誰のライブが観たい?」と聞かれたら、私はほとんど迷わずに「クロマニヨンズ」と答えると思う。好きなアーティスト、バンドはいっぱいある。けれど、やっぱり最期はクロマニヨンズのライブを観たいと思う。ステージの上で心の底から「ありがとう」と言える幸せを生きる人間の姿に触れることは、同じくらいに幸せだと思うから。失うものは何もない、何を失っても惜しくないと思えるくらい幸せな瞬間がそこにあると思うから――だから、クロマニヨンズは「ロックンロールの理想形」だと思う。

いいライブだった。そして、いいツアーだった。

ザ・クロマニヨンズセットリスト(2013/10/27)
突撃ロック
黄金時代
人間マッハ
涙の俺1号
チェリーとラバーソール
キラービー
くじらなわ
歩くチブ
団地の子供
とがってる
ホッテンダー
日本の夏ロックンロール

ヘッドバンガー
南から来たジョニー
グリセリンクイーン
底なしブルー
雷雨決行
ギリギリガガンガン
紙飛行機
燃えあがる情熱


−encore−
夢の島バラード
タリホー
ナンバーワン野郎!