とてもいいライブだった。
これまでに観て来た12月28日の吉井和哉のライブの中でも、これまでに観てきた全ての吉井和哉のライブの中でも、「五指に入る」ほどのいいライブだった。
声がしゃがれたり、裏返ったりする瞬間が何度かあったけれど、にもかかわらず、というよりだからこそ、その歌は胸の奥深くまで届いてきた。心の深いところから歌っているだけでなく、人生を賭して歌っているような迫力と説得力があった。ロングトーンを抑制しているところもあったけれど、それ以上に力強く歌い切ろうしているように感じた。
ソロとしての吉井和哉のディスコグラフィーからシングル曲を中心に構成されたセットリストによって、過去に観たライブの思い出が蘇ってきた。けれど、どの曲にもノスタルジックな気持ち以上に、今この瞬間に生きて歌っている吉井和哉の覚悟と存在感を感じた。
ライブの前半で続けて歌われた"BEAUTIFUL"と"LOVE&PEACE"が、とても良かった。吉井和哉は祈るように、そして挑むように歌っていた。<プリーズ もうこれ以上 悪い出来事が 君と僕とに起きないように>--。かつての歌が、ドラマの伏線が回収されるように、吉井和哉の人生と交錯して新たな意味を帯びるということについて考えた。
そして、"みらいのうた"。4年前の12月28日、武道館公演のアンコールで初めて披露されたこの曲に込められた意味の「答え合わせ」のように、曲についての思いが語られた。この曲の間、ステージの背景となるスクリーンには、満開の桜、舞い散る花びらと葉桜、そしてまた満開の桜が映し出されていた。この映像のように、吉井和哉の歌は、その歌声は、生きることの豊穣と無常そのものだと思った。
いいライブを観た後、帰りの電車の中で、胸にこみ上げる思いや頭の中を駆け巡る考えを、スマホの「メモ」に打ち込んでいる。今日、「メモ」を開いたら、2年前に何かのアンケートで回答した吉井和哉に宛てたメッセージの下書きが残っていた。読み返してみたら、拙いけれど、今日のライブを観て、吉井和哉に伝えたいことのそのもののような気がした。
ライブで"TALI"を歌う時、間奏で「幸せになるんだぞー」「自分を愛してねー」*1と言ってくれていたことが心に深く残っています。吉井さん自身にも言っていたのかもしれませんが、少しずつその言葉のように生きられるようになりました。感謝しています。
これからも吉井和哉の音楽を、その歌声を聞いていきたいと思った。
吉井和哉セットリスト(2025/12/28 )
Shine and Eternity
VS
TALI
欲望
CALL ME
母いすゞ
BEAUTIFUL
LOVE&PEACE
○か×
甘い吐息を震わせて
MUSIC
点描のしくみ
超絶☆ダイナミック!
ビルマニア
みらいのうた
ーencoreー
FLOWER
血潮
FINAL COUNTDOWN
*1:「自分を愛してねー」は、正しくは"FLOWER"の間奏