ザ・クロマニヨンズツアー2013 イエティ 対 クロマニヨン(2013/03/05 SHIBUYA O-EAST)

予想通り。新作『YETI vs CROMANON』の曲はライブで聞くと、より歌が迫ってきた。全力だけどしなやかで、激情だけど優しかった。

痛恨の遅刻で熱気にむせかえる会場に入ったのは19時20分頃。3曲目が終わろうとしていた*1。その直後、CDの曲順通りに演奏された4曲目“涙の俺1号”。

落下傘が燃える 顔は笑っている
なにを見るのか俺1号
なにおもうのか俺1号

この最初のフレーズで、撃墜された飛行機から脱出する兵士のイメージが湧く。同時にサビの<飛んで 飛んで 夢をのせて/燃えるアポロ1号/涙の俺1号>というところで、アポロ宇宙計画で爆発した宇宙船が重なる。宇宙飛行の使命に殉じた宇宙飛行士と、夢に囚われ続け目の前でロックンロールを「爆発」させているヒロト。この曲のタイトルがなぜ「涙の」なのか分かった気がした。使命に殉じる悲劇は夢を貫く幸福でもあり、その逆でもあるということ。

新作はどこかケロっとしていてさらっと聞けてしまう印象だった。けれど、ライブで聞くと曲に込められた情感が立ち上がってくるようで、とても良かった。特に、ヒロトが「僕も1年だけ団地に住んでいたことがあります。とてもいい思い出です」と言って歌った“団地の子供”*2とアンコール1曲目で歌った“南から来たジョニー”。“南から来たジョニー”は,イントロと間奏とアウトロでヒロトが吹くハープがマーシーの歌詞をさらにリリカルに惹き立てていて、曲が終わるのが本当に惜しかった。

遅刻したせいじゃなく、いつにもましてライブはあっという間に終わってしまった。最前列を左端から右端までファンとタッチして最後にステージから去っていったヒロトは幸せそうで、見ているこっちも幸せだった。

ザ・クロマニヨンズセットリスト(2013/03/05)
突撃ロック
黄金時代
人間マッハ
涙の俺1号
チェリーとラバーソール
ゴーゲバゴー
他には何も
団地の子供
ホッテンダー
恋に落ちたら
とがってる
日本の夏ロックンロール

ヘッドバンガー
グリセリンクイーン
底なしブルー
オートバイと皮ジャンパーとカレー
紙飛行機
エイトビート
燃えあがる情熱


−encore−
南から来たジョニー
雷雨決行
ナンバーワン野郎!

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ヒロト、50歳のお誕生日おめでとう。

*1:クロマニヨンズの場合、1曲が短いうえにwライブの最初は一気にたたみかけるので、「ちょっとの遅刻」が「かなりの遅刻」になる…(涙)。

*2:ヒロトの華麗なタンバリン演奏☆彡