ザ・クロマニヨンズ TOUR ガンボ・インフェルノ 2014-2015(2015/02/07 千葉市民会館)

いいライブだった。クロマニヨンズのライブはいつもいいけれど、やっぱり今日もいいライブだった。そして、今日の「いい」はいつもよりももっといい、「いい」だったような気がする。ホールの後方の席からも、ヒロトがよく笑っているのが見えた。
去年の10月に見たツアー序盤のライブid:ay8b:20141102では「新曲」だった曲はどれも初々しさを脱ぎ捨てて、しなやかで力強い骨格を見せつけていた。中盤の“ルル”“原子力自転車”は10月のライブで聞いた時よりもその重いテンポが映えるかっこよさだった。

個人的には4曲目で“ひらきっぱなし”が久しぶりに聞けてとても嬉しかった。けれど、やはり今回も“犬の夢”の間奏でのヒロトが目に焼き付いた。続く“キスまでいける”も合わせて、ヒロトは未だに「見たこともないような」動きをたくさんしていた。例えば、左腕を振り下ろながら左足を後ろに蹴り上げて全身で円を描くような「新しいステップ」を踏んでいた。そういえば、ライブ前半のMCでヒロトは「初めてクロマニヨンズのライブに来た人は、何も知らなくてもロックンロールは楽しめるってことを覚えて帰ってください!何度もクロマニヨンズのライブに来ている人は、今までのことは全部忘れて、楽しんでってください!」と言っていた。このことに符号するように、クロマニヨンズのライブには「今、ここ」しかなく、「今、ここ」で新しく何かが生ま続けているようだった。そして、「これまで」に縛られない「今、ここ」の圧倒的な自由と、その圧倒的な「今、ここ」が「これから」も約束されるわけではないという残酷さのちょうどその狭間でこそ、ロックンロールは輝くのだと思った。

アンコールが終わってステージを去る時、ヒロトは「また絶対やろうな。また絶対やらせてください。ロッケンロール!!」と叫んでいた。いつの頃からか、ヒロトはライブの最後に「また絶対やらせてください!!」と言うようになった。ヒロトのロックンロールには、積み上げてきた過去の栄光もなければ、約束された未来もないのかもしれない。ロックンロールには予定も計画もない、だから願うのだ、とでもいうように。そんなロックンロールに対する底なしの純粋さと率直さがある以上、クロマニヨンズのライブは「いい」ライブにしかならないのだと思う。

ザ・クロマニヨンズセットリスト(2015/02/07 千葉市民会館)
旅立ちはネアンデルタール
流行のクルマ
ウォルターに一撃!
ひらきっぱなし
人間マッハ
ダイナマイト・ブルース
B&K
欲望ジャック

ルル
原始力自転車
犬の夢
キスまでいける
スパーク!
ドードードードー
孤独の化身
他には何も
紙飛行機
突撃ロック
ナンバーワン野郎!


―encore―
グリセリンクイーン
底なしブルー
クロマニヨン・ストンプ