ライブ前スタンド席から空を見ると、スタジアムの真上に灰色の厚い雲がかかっているけれど、その向こうの海の上の空は明るくて、なんとなく「吉井和哉らしい空」だなと思った。
ライブが始まってから雨が本格的に降り出して、降ったり止んだりしながら最後には晴れて（虹がかかっていたという）、やっぱり「らしい」空の下でのライブだった。
赤いロングコートを着て登場。1曲目は“SPARK”。歓声。「あぁ、そういうことか…」と思った。
“煩悩コントロール”“母いすゞ”と吉井和哉の現在地を示す曲で大粒の雨が激しく降り出して、観客のステージへの集中が少し削げたのは残念だったけれど、続く“CALL ME”も“ALL BY LOVE”で最初から最後まで伸びやかな声で歌う姿は堂々としていた。
新曲の“点描のしくみ”は、パーカッシブなリズムが印象的な軽妙な雰囲気で「新境地」の予感がした。
そして、「僕のなかで一番有名な曲を」と言ってから「僕達のなかで…」と言い直して始まった最後の曲は“JAM”だった。イントロのハイハットと悲鳴にも似た大歓声。吉井和哉はマイクを持っていない左手をずっと頬に寄せて、とても丁寧に心を込めて歌っていた。
洋楽アーティストとともに出演するロックフェスの一番大きなステージに、「ソロアーティスト 吉井和哉」としてではなく「元イエローモンキー 吉井和哉」として立つということ。それは「潔い」と思った。でも「ちょっと残念だな」とも思った。だから、ライブの出来とは別に、この日のライブは何とも微妙な気持ちになった*1。
吉井和哉セットリスト(2012/08/18)
SPARK (THE YELLOW MONKEY)
マサユメ
煩悩コントロール
母いすゞ
CALL ME
ALL BY LOVE
LOVE LOVE SHOW (THE YELLOW MONKEY)
ビルマニア
点描のしくみ
JAM (THE YELLOW MONKEY)
もっと正直に言うと、今回のライブでいちばん残念だったのは、吉井和哉が太っていたこと…(´･ω･`) ライブが始まって大型スクリーンに映し出されたその顔は、冬眠前のリスのように頬がぱんぱんだった。「ヒマワリの種つめ過ぎ」と思った(苦笑）。
