LIVE BURGER SPECIAL(ザ・クロマニヨンズ/THE BAWDIES/ドレスコーズ)(2012/09/05 Zepp Tokyo)

3バンドによるイベントで、クロマニヨンズは意外にも2番手(わわわ!)。ステージに登場したヒロトは髪がだいぶ伸びていて、珍しく黒い半袖シャツをボタン全開に。「前に出たドレスコーズがすごく早く終わったからあわてて準備したんだよ(笑)。俺らも早く終わったら次のやつらびっくりするだろ(笑)たっぷりやるぜ」というヒロトのMC通り、クロマニヨンズの魅力、凄さがたっぷり堪能できるライブだった。
ライブの最初から<突撃>(突撃ロック)で、最後まで<まっしぐら>(ナンバーワン野郎!)なセットリストな分、中盤の“チンパンマン”の軽妙さや“草原の輝き”のブルージーな重さで、クロマニヨンズのプレイヤビリティの高さが際立つ。“草原の輝き”のラストでドラムとベースとギターとハープが絡み合いながら熱い「うねり」が入道雲みたいに立ち上がっていくところで会場から歓声が上がる。全開で全力疾走するロックンロールだけじゃない、クロマニヨンズのもう一つの真骨頂。それにしても、ヒロトのハープは本当に凄い。

クロマニヨンズの前後に演奏したドレスコーズBAWDIESもロックンロールを深く愛して、それぞれのロックンロールを演奏していた*1。けれど、クロマニヨンズの「ロックンロールの愛し方」は他のどのバンドとも決定的に何かが違っている気がした。それが何なのかはうまく言葉にできないけれど、その謎はとけない方がいいのかもしれないとも思う。
時計を分解するようにロックンロールの謎を解こうとするのではなく、謎を謎として全力で愛するということ。だから、クロマニヨンズはロックンロールから愛されるのだと思う。ロックンロールを抱きしめようとするバンドはたくさんある。けれど、ロックンロールに抱きしめられられているバンドはクロマニヨンズぐらいしか見当たらない。クロマニヨンズは<引き返す訳にゃいかないぜ/夢がオレたちを見張ってる>と歌う。クロマニヨンズは夢を見るのではなく、夢に見張られているバンドなのだということ。
いいライブだった。 エイトビート”がセットリストに入っていたらもっといいライブだった気がする。

ザ・クロマニヨンズセットリスト(2012/09/05)
突撃ロック
タリホー
ひらっきぱなし
チンパンマン
草原の輝き
グリセリン・クイーン
底なしブルー
ギリギリガガンガン
紙ヒコーキ
雷雨決行
ナンバーワン野郎!

*1:ドレスコーズはまだ「バンド」になりきってない感じがした。ロックンロールの「マジック(魔法)」よりも「トリック(仕掛け)」が透けて見えてしまう印象…。