ザ・クロマニヨンズ TOUR ACE ROCKER 2012(2012/05/31 千葉市民会館)

アンコールで演奏した新曲「突撃ロック」の歌詞そのもののようなライブだった。<永遠です/永遠です/永遠です/突撃ロック>というフレーズが、ライブ中のどの瞬間にもぴったりあてはまるような、そんなライブだった。クロマニヨンズの歌う「永遠」は終わりのない時間のことではなく、自分の好きなものを心の底から好きだと思える瞬間のことだと思った。クロマニヨンズの永遠は瞬間に宿る。だから、ライブの最初から最後まで、どの曲のどの瞬間を切り取ってもそこには「永遠」があった。

2月のライブと同じくほとんどMCなしで、バンドはとにかくひたすらロックンロールのど真ん中を疾走していた。そのなかで瞬間ごとに点滅するヒロトの動きが目に焼き付く。“バニシング・ポイント”の最後の<ララララララ ララララララ>を客席と交互に歌いながら、拳を握った両手を客席に向ける。“紙飛行機”の<君の窓辺へ>で客席の「君」を人差し指で強く指さす――音楽にのっているというよりは突き動かされていて、興奮に酔っているというよりは取り乱しているヒロトの動きがところどころで客席とつながる*1。その瞬間に毎回グっとくる。
そして、アンコールの“ギリギリガガンガン”の最後でヒロトは<今日は最高/今日は最高の気分だ>と歌いながら、ステージに仰向けに寝転がって足をバタバタとさせて、起き上がったと思ったら膝をついてステージの床をドンドンと叩いていた。クロマニヨンズだけじゃなくその前のバンド、そのもう一つ前のバンドのライブも含めて、ヒロトがステージに寝転がったり、床を叩いている姿は初めて見た。小さな子どもが「ここから帰りたくない」と駄々をこねているようだった。自由奔放に飛び跳ねるのとはまた違う、その「幼い姿」がとても印象に残った。

全ての曲を演奏し終えて、ヒロトは笑顔で「またやろうなー、また絶対やろうなー」と手を振って、「シェー!」*2を3回繰り返してステージを去っていった。ロックンロールの「永遠」は、ヒロトを「十四才」よりももっと幼く無邪気にさせていた。

ザ・クロマニヨンズセットリスト(2012/05/31)
他には何も
欲望ジャック
バニシングポイント
ゴー・ゲバ・ゴー
シャイニング
ハル
ライオンとサンシャイン
連結器よ永遠に
ムーンベイビー
あったかい
スピードとナイフ
自転車リンリンリン
グリセリン・クイーン
底なしブルー
ひらきっぱなし
オートバイと皮ジャンパーとカレー
紙飛行機
エイトビート
雷雨決行
ナンバーワン野郎!


(encore)
49cc
突撃ロック
ギリギリガガンガン
弾丸ロック

*1:“連結器よ永遠に”では最前列のお客さんに自ら進んで股間とお尻を触らせていたw

*2:「本物のシェーッ!」はこちら http://www.koredeiinoda.net/manga/iyamiroom.html