Summer Sonic 2010(2日目)(2010/08/08 千葉マリンスタジアム&幕張メッセ)

2日目も快晴でした。

神聖かまってちゃん
初めてライブを観る。
クレヨンしんちゃん』の出囃子SEが鳴り響いて、の子以外のメンバーがステージに。の子がなかなか現れないことで会場に妙な期待感と緊張感が膨らむ。
突如、真っ赤なノートパソコンを片手にの子がステージに突っ込むようにに登場。そのすぐ後ろからマネージャーのツルギさんが漫画のような表情であわわわ・・・と追いかけてくる。パソコンを奪われたの子にmonoくんが投げた「『ニコ生』的にはざまあねえな」という声はどこか温かかった。

冒頭の“23才の夏休み”から“ロックンロールは鳴り止まないっ”へ。高く手をかざした観客がステージ前に押し寄せる。その「いかにもロックフェス」らしい光景が、彼らが「壊そうとしているもの」でもあり「手に入れてしまったもの」であるという感じがして気持ちがざわざわする。同時に、そんな状況を受け止めているようでどこか呑み込めていなさそうな幼いバンドの姿にもはらはらする。

時に無軌道(ぐだぐだ)に脱線しつつもその演奏は思っていたよりもずっと「聞ける」ものだった(“自分らしく”のパーカッシヴなアレンジ良かった)。
注文をつけるなら、バンド全体のリズム感は言うまでもなくwもっと「歌の」リズム感と滑舌を良くした方が・・・と思ったボイスチェンジャーもメリハリなく使っていて歌詞が潰れて聞こえない)

最後の曲の前。“夕方のピアノ”のドラムのカウントが始まりそうになったところでの子が一瞬“ちりとり”のフレーズを弾く。「えっ、どの曲やんの?」という空気がバンドにも観客にも広がる。観客から上がった「ぺんてる」「ぺんてる」の声を受けて「“ぺんてる”って言ってるよ」と顔を向けたmonoくんにの子が放った一言。「お前はへタレかっ!自分で決められねえのかよっ!“ちりとり”っ」。

やぁ/去年も1階から3階へ/夏の声をジャンプさせました/あなたには あなたには/届きもしません>。メロディも歌詞も繊細で美しい。そういう当たり前のことを当たり前に思った。

観れて良かった。珍奇だけれど「正統な」ロックロールを聞いた。


HOLE
ロリータテイストの黒いワンピース姿のコートニー・ラブを見て、彼女のセルフイメージは「傷ついた少女」なのだと思う。後のピロウズのライブで山中さわおが「かっこいい」と言ったその声は、確かに迫力がある。でもどうしてもバンドの佇まいにも曲にも「古さ」を感じてしまふ。


栗コーダーカルテット
夏の夕暮れ。海から吹く潮風のなかで聞いた“ピタゴラスイッチ”に感激。


the pillows
ライブ後、バスターズの友人に送ったメールの1行目は、「Peeちゃん大爆発!!」。
とにかくPeeちゃんが冴えていた。本当にかっこよかった。2曲目の“Lemon Drops”の最後の<That changed my world>で右手人差し指を力強く立てたその姿に感じたことが、ライブが進むにつれて確信に変わる。ギターソロで山中さわおに並んでほぼセンターに立つ姿にちょっと驚きつつ、はしゃいでしまう。Peeちゃん、本当にかっこよかった(2回目)。

セットリストは一番新しい『OOPARTS』からたて続けに4曲。フェスだからと言って、というかフェスだからこそちゃんと「最新型」を見せ姿勢に好感。
後半の“Funny Bunny”。何度聞いても初めて聞いたときのように感動する。そして山中さわおのこのMC――「今年も猛暑のなか、高いチケットを買って集まってくれてありがとう。ロックが大好きかっ!オーケー、サマーソニック!連れてってやる!この世の果てまで!」。このMCを正面きって言えて、かつそれが決して嘘くさくならないのはやっぱり山中さわおだけ、と思う。

ラストの“POISON ROCK'N ROLL”でこの2日間で一番跳びはねる。
いいライブだった。

STEVIE WONDER
アリーナからスタンド席までびっしりと埋めつくされたマリンスタジアム
舞台袖からハープを吹きながら歩いてスティービー・ワンダーが登場した瞬間、地鳴りのような大歓声とともに、スタジアム中がキラキラと光り出す。2階スタンド席からその光景を見下ろしながら「みんなペンライト持ってきてるんだね」と素朴につぶやく私。数秒後にその光がケータイのカメラだと気づく(気持ちわかるけれど、やっぱり撮影はどうかと・・・)
とにかく「現役感」が半端ない。特に印象的だったのは“心の愛”の冒頭、歌詞のフレーズとフレーズの間(ほんの1,2秒)に自分のイヤーモニターを直しながら そばにきたスタッフに何度も指示を出して、しかもひとつの言葉も音もはずさずに歌っていたこと。まさに「神業」。
フェスのヘッドライナー(大トリ)にふさわしい素晴らしいライブだった。


2日目はこの他に、加護亜依Jazz(声が可愛い)キュートン(!)SUM41(ここでまったりしている間に、おもしろ三国志を見逃してしまう。マリンの大型スクリーンに「只今おもしろ三国志ライブ中」とかテロップ流してくれたら駆けつけられたのに・・・)を観ました。

2日間楽しかったです。
Thxx to SKRI.