最前列。これまで生きてきたなかで一番の近さ。これで死んでも悔いはないと思える近さ。
ツアータイトルのアルバム『MONDO ROCCIA』と同じく1曲目は“ジャングル・ジャミン”。
とてもとても近くで見るヒロトはやっぱり「ヒロト」で、マーシーは「マーシー」だった。泣くかなと思ったけれど冷静だったのは、彼らの表現も彼ら自身も「等身大」のままそこに存在していたからだろうか。
「たくさん踊って、たくさん汗かいて、そして風邪ひいて帰ってください」*1「明日みんなが死んでも悲しくなんかないぞー。今が楽しければいいぞー」という言葉通り、今ここでこの瞬間だけを駆け抜けていくロックンロール。
希望も夢もない なんだかわからない
大好きな事 ひとつだけある
(“ジョニークール”)
希望も夢もなくても死ぬ理由にはならなくて、たった<ひとつだけ>の<大好きな事>があれば生きていけるということ――それは、言葉で言うのは簡単すぎて空々しいけれど、目の前にいる「骨と皮とロックンロール」の彫像*2が激しく揺れる度に確信に変わる。
“エイトビート”で心臓に拳を当てるように、左胸を叩いて歌うヒロトの姿は、理屈ぬきに「生きる理由」そのものだということ。
彼らと同じ時代に生きて、その音楽に触れられることにただただ感謝。