the pillows OOPARTS TOUR(2010/01/20 SHIBUYA AX)

去年9月の武道館以来のピロウズのライブ。

ピロウズらしさ」が既視感となってどことなく印象の薄かった『OOPARTS』(あくまで個人的感想)。けれど、ライブで聞くと曲の輪郭がくっきりと浮かび上がる。
“Lemon Drops”や“Jonny Strobe”の、軽妙でありつつもどこか切なく深い印象を残すところは「さすが」の一言。曲の良さをライブで改めて実感。

序盤の“Melody”〜“Kim deal”の流れで、目頭が熱くなる。<キミに愛のメロディー>という僕が歌うことの幸福と、<世界中探してもキミしかいない/うたってよダーリン>というキミが歌うことの幸福が寸分もなく重なる。送り手としても受けてとしてもこれほど純粋に音楽に愛情を注ぎ、注がれているソングライターは決して多くはない、とステージの上の山中さわおを見て思った*1

多くのファンにとって十分に眩しい<向日葵>のような存在であるにもかかわらず、その向日葵に<届かぬ恋>をする<三日月>としてのラブソング“Beyond the moon"がひとつのハイライト。
どんなにセールスや動員が増えても、山中さわおはきっとずっとこんな切ないラブソングを歌い続けるんだと思って嬉しくなる。

会場のほぼ最後尾から見てもやはりその懸命さに心がきゅっと締め付けられる。自分に対しても観客に対しても誠実を胸に刻むように歌うということ――これまでもこれからも。

ダブルアンコール(ギターのアンプのトラブルで長い中断を経て)最後に“No Substance”が聞けてちょっと得した気分に。
来月のライブも楽しみ♪

*1:壊れたICレコーダーから130フレーズを救出した話をするときの生き生きとしたあの話しっぷりw