Live
この日のライブを観てしまうと、「素晴らしい」と心の底から思った2か月前の国立代々木競技場第一体育館でのライブでさえも、このバンドにとってはまだ「硬かった」のだと実感した。あれから、2か月が経って、まさに蛹が蝶になって飛び立ったような、そんな…
2016年5月11日19時00分00秒。歓声がもはや悲鳴に変わりそうなほどの興奮と歓喜のなか、ザ・イエローモンキーは帰ってきた。あの日確かに信じたものが幻なんかじゃなく、現実としてそこにあった。ステージ前面の半透明の幕に浮かびがった4人のシルエットを見…
去年の11月から始まった70本(!)に及ぶ全国ツアーの終盤。秋の終わりから冬をくぐり抜け、桜の季節さえも駆け抜けて、ツアー最後の東京でのライブ。 おそらくクロマニヨンズのライブで、今までで最も豪華なセットだった、ステージ上のジャングルを模した装飾…
新緑のさわやかな春の夕暮れの吉祥寺の街は、ただそれだけで歌を口ずさんでいるようだった。そんな街で友部さんの歌を聞けることの幸せを噛みしめた。前日まで、「夜よ明けるな」をリクエストするつもりだったけれど、ライブ当日の午後に気持ちが変わって違…
夏目漱石の『こころ』を劇団フライングステージならではの独自の解釈で編み直した物語。2008年の初演で強烈な印象を受け、劇団フライングステージのお芝居の中でも特に再演を待ち望んでいた『新・こころ』。あれから8年(!)が経ち、その間の「変わらないも…
吉井和哉の武道館公演から一夜明けた朝、スーツケースをなくす夢を見た。夢の中でスーツケースをなくした私は、焦って、困っていた。目が覚めた後も、「夢で良かった」と感じるよりも、夢の中で感じた寂しいような悲しいような、そして少し恐いような気持ち…
まさに、「生きてて良かった」という思いを日本武道館を埋めた9000人が分かち合った、そんな夜だった。生きてて良かった、フラカンを好きで良かった、今日この日のライブを観ることができて、本当に良かった。怒髪天による「フラカン応援歌」が鳴り響いた後…
ライブ本編とアンコールの終わりでの「ありがとうございました」という友部さんの声の力強さが、ライブの充実を率直に表していた。いいライブだった。『ミディの時代』というタイトルそのままに、1989年から2008年までの約20年間に友部さんがミディからリリ…
60本(!)に及ぶ前回のツアーが春に終わってから1年と空けずに、新作『JUNGLE9』を携えて始まった70本(!!)に及ぶ全国ツアーの東京公演初日。毎年クロマニヨンズの新しい歌が聞けて、何度もライブに行けるという幸せ。クロマニヨンズのライブ会場には、「幸せな…
この『Firiend, Friends 友達、友達』には、これまで私が観てきた劇団フライングステージのお芝居には登場しなかった人達が何人も登場した。それは新鮮な驚きであるだけでなく、舞台の上に浮かび上がった彼らと彼らが相対する人達との対比が、2015年の日本に…
カヴァー曲を続けて演奏したライブの中盤、ボ・ガンボスの“魚ごっこ”の前にマーシーが語ったどんととの思い出がとても印象深かった。「ブルーハーツっていうバンド」で沖縄のイベントに出演した時、どんとと一緒に夕暮れの浜辺でギターを弾いて歌った思い出…
梅雨明け間近の夏の陽射しが和らぎ始めた夕暮れに、人影まばらな灯りの消えたNHKホールの前に到着して、この日のライブ会場が東京国際フォーラムだったことに気づいた。この時すでに、開演時間の20分前。渋谷から有楽町へ向かうタクシーの窓から見た、柔らか…
5月の新緑が鮮やかな快晴の日。<愛が終わりのない青空に吸い込まれた>(クリア)のは、こんな青空だったのかもしれないと思うほどの。 5月2日から始まったツアー4本目にして、さらにパワーアップ、ヴァージョンアップした吉井和哉がいた。その確信はライブ…
ライブ終盤、「ありがとう、行ってきまーす」と、吉井和哉は清々しい笑顔で旅立ちを告げていた。セットリストが進むほどに声が伸びやかに、動きが軽やかになっていくその様子には、新作『STARLIGHT』とこの日から始まるツアーに対する確かな手ごたえと期待が…
とてもいいライブだった。 「野音でフラカン」というだけでライブ当日の朝から顔がニヤけてしまう。しかも、お天気も良く*1朝起きてからずっと、気がつくとニヤニヤしている自分がいた。ライブが終わってから、むしろもっとニヤけていても良かったのだと思う…
去年の10月から始まった60本に及ぶ全国ツアーのセミファイナル。ライブが始まる前から、会場全体にいつもとは違う熱気が漂っている。ライブ開始時刻直前になると、ステージ付近で将棋倒しが起こったような動きや声が聞こえてくる(危ない)。いつも通り一気…
とてもいいライブだった。友部さんのライブに対して「いい」「悪い」という形容詞は無粋に思えるけれど、率直に「いいライブだった」という幸せな余韻が残るライブだった。友部さん自身も調子の良さを感じていたようで、3、4曲目が終わったところで「久しぶ…
いいライブだった。クロマニヨンズのライブはいつもいいけれど、やっぱり今日もいいライブだった。そして、今日の「いい」はいつもよりももっといい、「いい」だったような気がする。ホールの後方の席からも、ヒロトがよく笑っているのが見えた。 去年の10月…
11月にリリースされたカヴァーアルバムのサブタイトル(「此レガ原点!!」)を1文字だけもじったサブタイトルを持つ、吉井和哉2年ぶりの武道館公演。それは映画に例えるならば、てっきり「スピンオフ(番外編)」だと思って観ていたら、実は新しく始まる本編の…
ライブ開始直後から終盤まで、何本ものミネラルォーターが観客の中から撒き散らかされた。ステージを照らす光を反射しながらキラキラと飛び散る水泡は、ロックンロールの興奮と感激を野蛮に美しく代弁していた。“ダイナマイトブルース”や“ウォルター一撃!”…
友部さんのリクエスト大会は、お客さんがライブ前に書いたリクエストの紙を箱から1枚ずつ引きながら歌う。昨年のリクエスト大会と同様に、幅広いセットリストになった。 第1部では、歌い終えてから「16歳の時にラジオでこの曲を聞いて、僕は歌手になろうって…
1.人生という「贈り物(PRESENT)」 人生で起こることはすべて、嬉しいことも悲しいことも自分への「贈り物(PRESENT)」だとしたら、生きるということは「受け取る」ということなのかもしれない。そして、「受け取る」ことは時に「贈る」ことよりも実は難しい…
スピッツが武道館によく似合っていたというよりも、武道館がスピッツによく似合っていた――そんなふうに感じたライブだった。スピッツというバンドの存在感、その不思議さと大きさを改めて感じたライブだった。客席の照明が落ち武道館の会場に観客が身に付け…
フラカン結成25周年ワンマンツアー「4人で100才」のツアーファイナル。 結成25周年のアーティスト写真のスーツ姿で登場したメンバーは、スーツがよく似合っていた。背伸びしているわけでも、奇をてらっているわけでもなく、身の丈にあったさりげない貫禄があ…
吉祥寺には6月の雨が降っていた。 最初に三宅さんが登場して4曲ほど歌ってから友部さんが登場して、その後はずっと2人で一緒にそれぞれの曲を演奏。三宅さんと共作したアルバム『ロックンロール、やってます』からの曲を演奏した後で、「この曲はなんていう…
いいライブだった。千葉LOOKのステージは低くて、圭介さんはほぼバストショット(台の上で歌った場合)、他のメンバーはほぼ鎖骨から上しか見えなかったけれど、でも、とてもいいライブだった。フラカンの歌には、生きることにつきまとう寂しさや侘しさ、どう…
なんと言っても、1曲目が“タリホー”。その後に“紙飛行機”、“ギリギリガガンガン”と続いたところでようやく、4月にリリースしたシングルコレクション『13PEBBELES』を意識したセットリストだと気づいた。これまでにのシングル13曲を全てほぼリリース順に演奏…
友部さんのライブに行くと、本を読む人を見ることができる。開場から開演までの間、文庫本や単行本を読む人の横顔や背中は静かだけれど、輪郭がはっきりとして見える。世の中には「質の良い孤独」というものがあるのだとわかる。 友部さんの歌は「質の良い孤…
丸ノ内線後楽園駅のホームを降りた瞬間に、わくわくしてきた。黒っぽい冬の服を着た人たちも皆そんなふうに見えた。みんなそわそわと心躍らせていた。ローリング・ストーンズは人を無邪気にさせる。何といってもミック・ジャガーのステージング。圧巻だった…
会場に入って、奥行の深いNHKホールのステージに『小さな生き物』のジャケットのグライダーを髣髴とさせる大きなセットが浮かんでいるのを見て、「ホールらしい」と思った。そして、スピッツホールで観るのは久しぶりだと思った。同時に、それはスピッツのワ…